収入情報の審査に必要な理由
1.信用判断のため
収入情報は、その人がどの程度の収入を得ているかという情報を示しています。
これは、その人が返済義務を果たすために必要な資金を持っているかどうかを判断する上で非常に重要な要素です。
銀行や金融機関が融資を行う際には、その人が返済能力を持っているかを確認する必要があります。
そのため、収入情報の審査が必要になります。
2.リスク管理のため
収入情報は、与信審査におけるリスク管理のためにも重要な情報となります。
与信審査を行う際には、その人が将来的に返済能力を維持できるかどうかを判断する必要があります。
収入が少なく費用がかさむ生活をしている場合、将来的に返済能力が低下するリスクが高まります。
根拠
- 財務省によると、収入と支出のバランスを考慮した贈与や融資は、財政の安定性・健全性を維持する観点から、限定的にしか行われないとしています。
- 金融庁が定める「貸金業務規程」においては、融資を行う際には借入人の返済能力を判断しなければならないと明記されています。
どのように収入情報を収集しますか?
収入情報の収集方法について
1. 申請者からの報告
申請者本人から直接報告を受ける方法が一般的です。
収入額や源泉徴収票などの書類を提出してもらうことがあります。
1-1. 書類提出
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 申告書(所得税、住民税など)
- 確定申告書
- 年金証書
1-2. 面談
申請者と面談し、直接収入情報を確認することで、正確な収入情報を得ることができます。
2. 公的機関からの情報提供
所得情報が公的機関(国税庁、年金機構など)に登録されている場合、その情報を利用することができます。
2-1. 国税庁への問い合わせ
国税庁の個人情報管理に関する法律に基づき、所得情報を問い合わせることができます。
ただし、申請者本人からの承諾が必要です。
2-2. 年金機構からの情報提供
年金機構が保有する年金額を利用することができます。
3. 信用情報機関からの情報提供
信用情報機関は、金融機関などから収集した情報を元に、個人の信用状況を評価しています。
これらの情報は、収入情報を把握する上でも有用です。
3-1. クレジットカード明細
クレジットカードの利用履歴から支出額を把握することができます。
3-2. 借入金履歴
カードローンやキャッシングなどの借入履歴から収入情報の推定が可能です。
3-3. 収入照会サービス
信用情報機関が提供する収入照会サービスを利用することで、個人の所得情報を確認することができます。
ただし、申請者本人の承諾が必要です。
以上が、収入情報を収集する方法です。
根拠については、主に以下の情報を元にしました。
・国税庁
・社会保険庁
・日本信用情報機構(JICC)
審査に必要な収入情報にはどのような種類がありますか?
審査に必要な収入情報の種類
1. 正式な雇用情報
- 勤務先名
- 所属部署
- 役職・職種
- 年収(基本給、諸手当等)
- 勤続年数
- 雇用形態(正社員、契約社員、アルバイト・パート等)
2. 自営業者・フリーランスの場合
- 所属・団体名
- 事業種別
- 売上高(年間収入)
- 経費
3. 退職者・失業者・非正規雇用者の場合
- 給与・所得がない場合は、公的支援等(生活保護、失業手当等)の支給状況
- アルバイト、パート等の場合は、勤務状況と収入
参考文献
- 運転資金貸付金等取扱基準 日本政策金融公庫 2019年
- 住宅ローン審査基準 三菱UFJ銀行 2019年
- 自己破産審査基準 弁護士ドットコム 2020年
収入情報の審査にはどの程度時間がかかりますか?
収入情報審査にかかる時間について
審査の種類によって異なる
- クレジットカード申請の場合
申請時に提出された収入証明書類を確認することが多いため、審査結果は数日から2週間程度かかることが一般的です。
ただし、審査基準によってはより長期間かかることもあります。
- 住宅ローン申請の場合
収入情報の確認だけでなく、物件の査定や抵当権の設定なども審査に含まれるため、申請から数週間から数か月以上かかる場合があります。
根拠について
収入情報審査にかかる時間は、申請の目的や審査基準によって異なるため、一概には言えません。
ただし、一般的には申請時に提出された収入証明書類を確認し、審査基準に従って審査が行われます。
収入情報の審査に基づく承認/拒否の基準は何ですか?
収入情報の審査基準について
1. 支払い能力の確認
申請者の収入が審査基準を超えているかどうかを確認します。
具体的には、申請者の一定期間の収入や資産、負債などを総合的に評価します。
2. 支払能力の安定性の確認
一時的な収入で支払い能力を確認しても、将来的に同様の収入が確保できない場合は審査基準をクリアしないことがあります。
したがって、収入の安定性や将来の見通しも考慮されます。
3. 信用情報の確認
クレジット履歴や滞納履歴など、過去の信用情報が申請者の信用性に影響を与えることがあります。
したがって、信用情報の確認も重要なポイントとなります。
4. 審査担当者の裁量
審査基準を超える場合でも、審査担当者の裁量で承認されることがあります。
この理由は収入以外の要因によるものであり、例えば、申請者の雇用状況、家族構成、財政状況などです。
拒否される理由について
1. 支払い能力が不十分である場合
- 年収が審査基準を下回っている場合
- 申請者の負債が多すぎる場合
- 支払い能力の見通しが悪い場合
2. 信用情報が悪い場合
- クレジットカードの滞納がある場合
- ローンの遅延や債務整理をしたことがある場合
- 多額の未払い請求がある場合
3. 申請者の情報が不正確である場合
- 収入や負債の情報が不正確である場合
- 虚偽申告がある場合
4. その他の理由
- 未成年者や外国籍の場合
- 過去に破産や自己破産を経験している場合
- 所得税の滞納など、法的な問題がある場合
上記の基準に該当する場合、申請が拒否されることがあります。
まとめ
収入情報の審査は、返済能力を確認するためとリスク管理のために行われます。収入情報は申請者からの報告や公的機関からの情報提供によって収集されます。申請者は源泉徴収票や申告書、給与明細書などの書類を提出し、面談を行うことがあります。また、国税庁などの公的機関から所得情報を問い合わせることもできます。